ぼくが考えたこと。

ぼく(28才、フリーター)が一生懸命考えたことについて。極個人的。

『2012』

『2012』という映画を観ました。

確か2月の頭くらいに観たので、もう3週間くらい経っています。記憶も抜け落ちはじめています。やはり1番の敵は怠惰ですね。

 

 

ということで、こんな感じの映画です。

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ストーリーとしては、地球の内部温度が上昇→プレートが流動的になる→壊滅的地震津波で人類オワタ\(^o^)/

主人公はその災害に事前に気付き、なんとか多くの人を救おうと奮闘する科学者と、家族仲がそこそこ壊滅的な売れないSF作家のダブル主人公。

科学者側では主に政府の内面的な動き(いかに人類を存続させるか)が描かれて、作家側では災害に翻弄されつつも必死に生き残ろうとする姿が描かれる。

 

 

政府が秘密裏に進める生き残り作戦は、まさにノアの箱舟的なやつ。

権力者、科学者、一部の金持ちと、芸術品、動物など後世に残すべきものだけ積んだ箱舟で、壊滅的な災害をやり過ごそうとする。

一方で作家の主人公はいわば切り捨てられた人々。未曾有の災害に襲われる街から家族を守りながら脱出を試みる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(以下好き勝手言います)

全体的に、非常に良かったと思う。

そもそもお酒飲みながらキャーキャー言いたかっただけだったのだけど、そういう意味ではバッチリの映画。

地面が裂け、ビルが崩壊し、津波が全てを押し流す。

そんな街中を車で駆け抜け、飛行機ですり抜け、家族と共に奔走する!!!

映像も今見たって全然すげえし、ビジュアルだけでイケるイケる!!!

作家主人公の生き延びようがギリギリ過ぎてどうやねん、みたいなことは言わない!!!

 

 

それだけでも面白い映画なのだけど、科学者のパートがまた良いんすよ。

災害の規模を考えると、全人類を救うことは絶対にできない。故に、生き残る人々を選ぶ必要が出てくる。みんなに真相を話せばパニックになっちゃうから、切り捨てられる側の人にはお知らせすらしない。

選別課程であったり、葛藤であったりがきちんと描かれているから、ただのパニック映画ではない感じになるんすよな。

権力や金を振りかざして何とか生き延びようとする者、国民への説明義務を果たして散っていく大統領、訳もわからず災害に呑まれていく人々、なるべく多くの人を救おうとする者、諦める者、必死に生き延びる者。

主人公を2人にすることによって、世界的災害の一側面だけではなく、多面的に表現できてる。

だからすごくリアルというか、まるでシミュレーションを見せられてるような感じ。

今この文章を書くために調べてみると、どうやら2時間40分の長尺だったらしい。この詰まり具合なら納得かも。(ちなみに、観ている時はそんな長く感じなかった)

 

個人的に良かった点

・途中まで共闘して仲良くなったはずの金持ちにあっさり切り捨てられるシーンが良かった。人間ってそんなもんよね。

・科学者主人公が、箱舟内の自分のスペースが広すぎることに激昂するシーン。そりゃもっと狭くすればもっとたくさん救えるんだろうけど、生き延びるべきだと選ばれた人間の待遇が良くなるのは必然なのもわかる。どっちもわかる。

・箱舟の一隻が故障して、そこに乗る予定だった人々を他の箱舟に迎え入れるかどうかの葛藤シーン。あそこが感動的に描かれていたからこそ、開いた箱舟に押し寄せる人々の愚かさが際立つよね。善意と悪意が然るべき形で渾然とする感じ、めちゃくちゃ示唆的だとおもう。

・作家主人公の書いた全然売れてない小説を、科学者主人公が読んでる流れ。500冊も売れてない本なんて世界崩壊時には切り捨てられて当然なのに、生き残る側の科学者が好きだったからという極めて個人的な理由で箱舟に乗って、後世まで残ることになる。

しかも、その小説の引用を他の箱舟からの避難者を受け入れるかどうかの説得に使う感じ、めちゃくちゃ良い。たとえ売れてなくても、評価されてなくても、誰かの心を動かすことはできる。そして、その小さな動きで、結果大勢の人が救われる。物語の力の強さ。

 

個人的に気になったシーン

・上でもちょっと触れてるけど、主人公たちの生き延び方がギリギリすぎる。ちょっとリアリティに欠けるし、同じ展開ばっかりでちょっと食傷気味に。

・作家主人公の奥さんが惚れてた医者について。あいつが飛行機操縦できたから生き延びれたし、奥さんも医者に対して明確な恋慕を抱いていた(しかもそれを作家主人公に赤裸々に明かしてる)のに、医者があっさり死んだのすげえ悲しかった。一応作家主人公との和解シーンみたいなのもあったけど、もう少し丁寧に、大事にしてやって欲しかったなぁ。個人の意見としては、作家主人公の方が死んでも良かったすらある。

・最後の山場、箱舟に潜入後のシーン。流石にあれで箱舟に乗ってる人全員の命を危険に晒すのは作家主人公が自分勝手過ぎん?金持ちやら権力者のみが生き残ることについてはそんなに気にならんかったけど、あそこで侵入者でしかない作家主人公一家が全員を危険に晒すのは非常に気まずくない?箱舟に乗ってる人は言わば選ばれた人であり、生き延びるべき人であるのに。しかも、それをなんか美談にしようとしてる感は、ちょっと大義に反する考え否めない気がした。(あくまで個人の感想です)

 

 

総括。

パニック映画として非常に優秀。それだけで高得点なのに、そこに載ってくるオマケも非常にしっかりしてて良い。

あれ、こうして感想を書いてるとめちゃくちゃ良い映画だった気がするぞ。(体感としては面白かったけどメガヒットではない感だった)